熊谷昌大

9/10~13日にかけて、アメリカのサンディエゴでアメリカ歯周病学会(AAP)が開催されました。PHIJのメンバーとして初めての学会参加でしたが、四日間どのセッションも魅力的で充実した内容でした。一流と呼ばれる海外から集まったスピーカー達の発表する姿勢やスライドの流れなど、直接参加しなければわからないようなことも感じ取れた充実した研修だったと感じます。

さらに今回の海外研修にはPHIJの特別講演が準備されており、AAP学会の前日と最終日に世界のトップを走る講師(Dr. Henry Takei /Dr. Kerry Klokkevold /Dr. McGuire /Dr. Todd Scheyer)を独占した環境で学ぶこともできました。特に心に残ったのは、Dr. Henry Takeiの講義で、50年間の歯周病学の歴史を振り返り現在何が起きているか考えさせられる内容でした。彼は今回の特別講義やAAP学会に参加する前に私たちは理解しておかなければいけないことがあると強く話していました。それは、50年間の歴史を振り返ると1965-1985におけるバイオフィルム時代、1975-現在のエステティック、1985-現在のオッセオインテグレーションの発見発展、再生治療など様々なことが起こってきました。これらの歴史から考えられることは、『私たち歯科医師は何かをやりたがる!』ということだった。抜歯や虫歯治療がメインの時代からバイオフィルムのメカニズムが解明され、虫歯予防が可能になると、歯科医師は何かをしたがるため、審美歯科に手を出し始めたり、オッセオインテグレーションの発見から、インプラント治療の分野が拡大されたりとこれらの治療は今日も続いています。これらの歴史は素晴らしいものだが、使い方を間違えれば大きな問題にもなり得るもので、もしかしたら必要性のないケースにも我々は手を出してきたのかもしれないと懸念するように説明してくれました。このような時代の流れの中、Dr. Miyamoto /Dr. Kumagaiにおける「Compliance as a prognostic indicator Part1、2」など日吉歯科診療所が示しているデータは本当に価値のあり、この論文は必ず読むべきで、私の学生たちには必ず読んでもらい考えてもらうものである。本来の歯科医療とは、健康な口腔内を維持するために手助けすることで、天然歯が本来あるべき重要であるものであることを忘れてはいけない。これからの未来、歯科界はどのように変化していくかはまだ分からない、もしかしたら過去の治療方法がまた注目されていくかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ただ私たち歯科医師は、基本に忠実に考え続けることが大切で、これらのことを踏まえて、私たちのこれからの講義とAAP学会を楽しんでほしいと話してくれました。50年間歯科界でトップを走ってきた先生が、このように説明してくれたことは自分自身にとって心に残ったレクチャーの一つになりました。