2013 オマハ カダバーコース

活動報告

2013年

■Perio Health Institute Japan Course 2013 Omaha Program開催にあたって

熊谷 崇 (日吉歯科診療所)


オーラルフィジシャン育成セミナー本コースでは、歯科医療哲学、メディカルトリートメントモデル、メインテナンスシステムといった、歯科医療の根底を成す部分を中心にプログラムを組んでいます。というのも、これらの点が、日本の歯科医療と世界標準の歯科医療と比較した際に、日本が最も遅れている部分と感じているためです。しかしながら、予防やメインテナンスで歯科疾患の全てが解決されるわけではありません。予防を突き詰めれば突き詰める程、予防の効果が見えてきますが、同時に限界というものも見えてきて、質の高い治療の必要性を感じます。削らない手法と削る手法という言い方をすると、予防と治療は、あたかも対極を成すもののように感じますが、実際には、予防と治療は対極でなく、両輪もしくは両翼を成すものです。



そこでオーラルフィジシャン育成セミナーでは、アドバンスコースとして、「SRPセミナー」「CRセミナー」「リスク評価セミナー」「口腔内写真撮影セミナー」「エンドセミナー」そして、「海外研修」を行っています。今回で3回目となるオマハ研修も引き続き、Nebraska州Omaha Creighton大学の全面協力のもとに3日間のインプラント治療に関する講義、解剖実習を予定しています。メイン講師は、Neil S. Norton先生をはじめとするCreighton大学講師陣です。各分野のアメリカ専門医によるレクチャーと、少数グループによるきめ細かな実習で構成される本コースは、例年参加者からも高い評価を受けています。


今回の研修においてもシロナデンタルシステムズ株式会社のサポートによって、旅行や滞在に様々な配慮をいただいておりますこともご理解いただきますようにお願いいたします。


今回の研修がこれからの日本の歯科医療を変える一里塚となるように、皆様の健闘を祈っております。


■ Perio Health Institute Japan Course 2013 Omaha Programを終えて

幡野 紘樹(日吉歯科診療所)


7月26日から7月28日の3日間、2013 PHIJコースが開催されました。本コースはネブラスカ州オマハにあるクレイトン大学の全面協力によってベーシックからアドバンスまで多彩なプログラムで構成されたコースでした。


歯周病、放射線、解剖、補綴、口腔外科の専門医によって口腔内だけでなく頭頚部全体に関するレクチャーが行われ、十分な知識を得た上で解剖実習へと臨みました。インプラント埋入実習では、ピエゾサージェリーやインプラント、ボーングラフトに関する材料も全て用意され、インプラント埋入初心者からベテランの方まで満足できる実習でした。中でも、米国における歯科解剖のベストセラー「Netter’s HEAD NECK ANATOMY FOR DENTISTRY」の著者であるNeil S. Norton先生によってライブで行われた解剖は、普段見る事のできない組織を実際に目で見て触る事ができ、「一生忘れない経験ができた」と参加者も口を揃えていました。


最終日には修了式が開催され、クレイトン大学歯学部長のMark A. Latta先生をはじめ、講師の先生方にもご参加頂き、参加者全員がサティフィケートを頂きました。来年も参加したいという声も多く、特にインプラントを積極的に実施されている先生ほど、自らの知識と技術のブラッシュアップのためにも毎年受講するべきだと感じられたようです。


プログラム概要は以下の通りです。


  • 7月26日(金曜日)
    • 頭頚部・口腔顎顔面の臨床解剖学(骨、動脈、総合的軟組織臨床解剖)
      • Dr Norton
  • 7月27日(土曜日)
    • CTの読影と口腔顔面の放射線学
      • Dr. Omid
    • インプラント学における治療計画とDecision Making
      • Dr. Miyamoto
  • 7月28日(日曜日)
    • 解剖・インプラント埋入実習
      • Dr. Miyamoto, Dr. Norton, Dr. Lanphier, Dr. Harris, Dr. Frost, Dr. Sather, Dr. Carter

■オマハの町並みと会場

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■座学

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■実習

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■ランチタイム

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■ウェルカムパーティー

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■サティフィケート授与式

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■集合写真

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■感想文

■2013 オマハ、クレイトン大学研修を終えて

7月25日〜30日まで、ネブラスカ州オマハにあるクレイトン大学での解剖実習に参加させていただきました。

初日は、ホテルでのNeil Norton先生の解剖学講義は、頭頚部に限局した内容であり、実際の骨や筋肉、神経、血管の走行をイメージしながらの講義で自分の頭の中の霧が晴れたかのような衝撃であった。

2日目は、午前にネブラスカ州立大学に助教授であるOmid先生によるCTスキャンの評価において放射線学を学び、午後は宮本先生から、ペリオとインプラントのアップデートと多数のケースを見せて頂き充実した講義を受ける事ができました。

夜には、ウエルカムパーティーが開催され講師の先生や一緒に受講した先生方と親睦を深めることができ、美味しいお肉とお酒で時差や授業の疲れを吹き飛ばしてしまいました。

3日目は、いよいよクレイトン大学に場所を移し、新鮮なカダバーによる日本では行えない解剖実習はとても有意義で、特に何もわからなかった学生時代とは違い、臨床経験を踏んだ今だからこそ、本当に意味のあるものでした。サイナスリフトやインプラント埋入など経験の少ない先生には興奮さめやらぬ実習で、もう少し時間と日数がほしかったです。

あっという間の研修でしたが、実りの多い解剖学の講義はなかなか無く、歯科医師として必要不可欠な内容で参加し学ぶことができ大変うれしく思いました。

アップル歯科クリニック:畑 慎太郎

Attended omaha course for 3 days. Based on a full backup of the Creighton University had become a Cadaver lab specializing in anatomy focusing on content. Implants embedded into practice especially nasal cavity and paranasal sinuses mainly very clinical important anatomical structures from Norton lectures, including sinus lift and was not experienced in this training. Dr miyamoto showed great clinical cases. Dr Matthew was indebted to in practice. Iwakami’s interpreter’s rich knowledge of anatomy to ensure more than I think. The tight schedule of sirona, Kitamoto’s and Tinschmann’s fun conversation offers warmed me students. Seating for the return flight, Hamada, gave the threads on the aisle side. It is truly a "tour". Teachers who participated in the training with a heartfelt thanks to all the people. Just fatigue to blame? away crumb condition soon after returning home, strangely I was suffering from peripheral facial nerve palsy. It is also a good experience for me.

久保歯科医院:久保 洋平

移動も含めて約6日間の研修を終えて、現在日本で感じていることは、率直に、オマハで充実した時間を過ごせたと感じています。
日本では決して体験できないカダバーを用いたImplant埋入や併用する外科手術を体験できたこと、またその国の空気や雰囲気を肌で感じれたことは、私の歯科医師人生において、とても有意義なものになりました。

私が今回、この研修に参加した理由として、現在の日本では、Implantの埋入本数は年々増加していると思います。それは、欠損部に対して、信頼性の高い治療法であること、そして、自分の実力に見合う症例を選択すれば、そこまで難易度の高くない治療術式だからだと思います。それに伴い、患者さんの知識やニーズも変化してきていると感じていました。私自身、Implantの埋入はまだ数本の経験しかありません。その数本の埋入の経験の中で、学ばなくてはいけないと感じたことは、不変的である解剖や歯周組織についてだと思ったため参加を致しました。

研修に参加させて頂いたことで、上顎洞や下歯槽神経に加えて、Implant埋入に重要な頭頸部の組織を実際に目に見ることや自分自身の手で行うことができたことは、大きな収穫でした。しかし、その反面、Implant埋入や埋伏歯の抜歯に恐怖を覚えたことも事実でした。これらの研修体験を、今後の臨床に生かしていきたいと思います。

Norton教授、宮本先生をはじめ、一緒に研修をした先生方にも恵まれ、楽しく、そして充実した研修を行うことができました。また、機会があれば参加できればと思います。本当にありがとうございました。

ひるま矯正歯科:晝間 直未

私は今までヒューストン・ドイツの研修に夫とともに参加させていただき今回で3回目になります。
オマハでの研修は、日本では体験することができないことばかりでcadaverを用いての実習をメインにクレイトン大学の先生方による頭経部領域の解剖とⅩ線読影の講義を受けることができました。

当院では、インプラントは総合病院の口腔外科に依頼し私はアシスタントをしています。今回初めて基礎から教えていただきcadaverを用いてインプラント埋入をすることができました。
インプラントは、色々な問題が指摘されていますがCTを用いて正しく診査診断されていれば、患者さんにとってとても有益な治療法の一つであることを再確認しました。

また、ノートン先生のあざやかな解剖手技を目の前で見学することができ、感動しました。中でも、顎関節を取り出してくださって実際に手にとって見せて触らせていただいたのは絶対に忘れることができません。
ありがとうございました。こらからも頑張ります。

ひるま矯正歯科:晝間 康明

ひるま矯正歯科は、2006年オーラルフィジシャンセミナーを受講し、その後は98%の患者さんに対しMTMに基づいて矯正治療・一般歯科治療・メインテナンスを行っています。その結果、矯正治療後にう蝕と歯周病のリスクを減少させる事が出来るようになってきました。

また、矯正治療前から矯正治療中を通して患者さんにう蝕と歯周病に対するリスクアセスメントとしてのメインテナンスの重要性を伝え、その効果を実感してもらう事によって矯正治療後もメインテナンスに通って頂ける様になってきました。これまではどのようにしてメインテナンスの重要性を理解して頂くかに悩んでいましたが、メインテナンスで通って頂ける様になるとこれまでの治療主体の診療体制では想像できなかったような現実に直面します。それは以前の治療の質が低い場合いくらメインテナンスをしても歯を完全に守りきる事が出来ない事、メインテナンスに通われる患者さんは従来よりも質の高い医療を求める事です。このような症例に遭遇する度に、熊谷先生の「オーラルフィジシャンは全ての専門分野に対して7割以上の知識を持ち、患者を総合的に管理し質の高い治療を提供するための専門医への紹介に責任を持つべきである」(2006年メインテナンスルネッサンス)という言葉が私に重くのしかかります。

今回、オマハ研修に参加させて頂き、インプラントという専門分野を理解する為にもっとも質の高い基礎知識として生体に近い状態のcadaver解剖実習を経験させて頂き貴重な経験を積む事が出来ました。また、解剖実習にむけてCTの読影方法、最先端のインプラントに関する研究の解説を聞く事が出来て私の専門分野外の治療に対しても基礎的かつ質の高い知識を得る事が出来ました。また、解剖実習ではインプラントに関するものだけではなく顎関節にたいしても貴重な体験をさせて頂き、専門分野である矯正治療の知識を深めるためにも有用な実習でした。スウェーデンのマルメ研修から始まった私の海外研修ですが、いつもハードルが高いかなと思いながら参加しています。しかしハードルの高さが刺激になり、日々の診療へのやりがいにつながっています。これからも、積極的に研修に参加しながら切磋琢磨し質の高い医療を提供し患者さんの健康に貢献したいと改めて強く思う研修でした。

まちのはいしゃ:詫間 隆弘

■2013年 クレイトン大学 カダバーセミナーに参加して

私は、地方で開業している一歯科医師です。地方から都会にいろいろ勉強する機会に恵まれ、いろいろなセミナーを受講していましたが、日本国内ではカダバーの解剖やカダバーへのインプラント埋入は開業医の立場からすると不可能でした。しかし、韓国、グアム、ハワイなど海外なら可能ということで海外へ出向きセミナーを受けていろいろ経験できカダバーの解剖、インプラント埋入もしましたが、今回のカダバーはレベルが違いました。何が違うかというと粘膜(口唇、歯肉、上顎洞粘膜)が生きている人間にかなり近い実技が経験できたということです。切開、粘膜剥離、RBR、サイナスリフトの実技がとても勉強になりました。当然他にインプラント埋入、ソケットリフト、スプリットクレストなどの実技も勉強になりました。
開業医の先生が講師の場合は、今回のような神経の走行、血管、骨、顎関節これらをすべて見せてもらえ触らせてもらえるようなカダバーセミナーはありませんでした。

1日目に解剖学講座の教授による講義で解剖の復習をして、2日目に放射線科の先生によるCTの解説を聞き、インプラント講座の教授兼開業医の先生による実際のインプラントトラブル症例の解説、その時の対応なども講義いただき座学を終えて、3日目にカダバーのインプラント実習と解剖実習へと向かいました。

ただ、残念なことは時間がなかったことでした。今回は4人に1体のカダバーでどうしても自分がしたいすべての実技ができず交代で実習をするため、他の先生を見学する時間もありました。片側にできる手術をすべてひとりでやりたいという気持ちと他の先生の技術の見学をしたいという気持ちがあるので、これらすべてを1日でやることは不可能でした。

また、数年後には再受講を希望したいと思う内容のセミナーでした。