2016 オマハ カダバーコース

活動報告

『ノートン教授によるインプラント治療のための臨床解剖学実習』を終えて

大森寛之先生(大森歯科メンテナンスクリニック)

実習内容に関して、とても満足しています。少人数制で講師の目が行き届く範囲でしたので受講生としてうれしかったです。
初めてアメリカでの講義でしたが、現地の歯科医療や教育を肌で感じることができ、また、違う目線で日本の医療を見直すことができたのは大きな収穫になりました。
メインの解剖実習は、日本ではできないとても貴重な体験になりました。日々の臨床にとても近いものであり、安心安全に診療を行っていく上では欠かせない実習となりました。講師のノートン教授はとても親切熱心に講義してくださいました。
講義の内容は基礎分野から、臨床応用まで幅広く網羅されており充実したものでした。明日から実践できる内容、今後取り入れていける内容、そして、歯科医師として探求し続けていかなければならないものと、自分自身がやらなければならないことや迷っていたことが明確になり、単なるスキルや学問の探求にとどまることのないものになりました。その背景には、他の受講生の方との交流や講師との交流も大きく影響しました。
今後も日々の診療に埋没することなく継続的にこのような講習に参加し、自分を高め、仲間と共有し、日本の歯科医療に貢献できる歯科医師になれるよう努力していきたいと思います。短い間でしたが、ありがとうございました。

金谷宏樹先生(あすなろデンタルケア)

はっきり言って私は極平凡な開業医です。
そんな私にとって今回の研修は人生で初めての海外研修でした。まさか自分が海外研修に参加するなんて開業当初は思ってもおりませんでした。
しかし今となっては、毎年!いや少なくとも2年に一度は参加したいと思わせる体験をしました。
研修環境は申し分なく、何から何まで不自由することなく学ぶことに集中出来ました。

放射線学の講義はエビデンスに則ったもので、解剖学をベースにCT 読影の手順から診るべきポイントを動画などで分かり易くイメージさせて頂けるレクチャーでした。 解剖学の講義は学生以来なこともあり、名称や枝分かれなどその複雑さ故に理解出来るか不安でした。しかし骨学、脈管、神経と系統立てて更にその場で色分けし見やすくしてくれる配慮もあり大変理解するのにたすかりました。
宮本先生のオフィス見学とその後行われた講義と参加者全員のディスカッションはとても考えさせられる内容で、Best JobでNo1に選ばれる米国で活躍されている歯科医ならではのもので、歯科医療をより魅力的なものと捉える視点が更に進化しました。
解剖学実習は、アメリカという環境でなければ不可能であろうと思われるフレッシュなカダバーに最初は一瞬怯む程でしたが、前日までの講義の内容を正に実体験する貴重な体験となりました。この鮮明な印象はどんな教材にも勝るものとなりました。帰国後も患者さんの口腔内を診る眼が変わりましたね。

木下真千子先生(デンタルフリーまちこクリニック)

少人数での海外研修ということで、みなさんと濃密に過ごすことができとても充実した状態でコースを終えることができたと思います。
初めてのアメリカでしたが、鉄平先生の引率のもと、ノートン先生やベン先生から直接講義をうけることができ、大変感慨深く、またCBCTというもの自体、見方、使い方なども詳しく教えていただくことができ勉強になりました。
カダバーは、そうゆうことなのか、と少し衝撃的でしたが、おそらく今回参加しなければ一生体験できない経験だったと思いますので、本当に参加してよかったと思います。実際に切開、剥離やインプラントの埋入は非常に貴重な研修を受けさせていただいたと思っています。ノートン先生が実際に神経や血管をひもといていかれるレクチャーも大変貴重でした。
宮本先生のオフィスでの見学、講義、そしてそのあとのディスカッションは、自分自身も考えさせられることがあり、とても有意義でした。
今回のコースにより、自分の、そして周りの臨床をみる角度や視野に変化がもたらせたかな、と感じています。宮本先生、ノートン先生をはじめとする講師の先生やスタッフの方、鉄平先生、相浦先生、いっしょに受講した先生方どうもありがとうございました。
スペンサーステーキ超おいしかったです!(また食べたい!)

久保慶朗先生(くぼ歯科クリニックこども歯科クリニック)

8名という少人数での海外研修、3日間ではありましたが濃密な時間を過ごすことができました。これも講師の皆様の熱弁と普段診療で目にするCTの読影と解剖を学ぶことができたからではないかと思います。
個人的には宮本先生のプラクティスマネージメントが一番心に響きました。細かいことに執着し、院内にcore purposeが落とし込めていなかったように思います。自分を見つめ直す、いいきっかけにできたことに心から感謝します。
CBCTに解剖のイメージを重ね合わせることができるBenn先生の講義は、日常臨床でCBCTを使っている中で解剖の知識がどれだけ重要かを教えていただきました。知っていなければ見えない解剖、たとえばオトガイ孔の副枝、下顎管が2本ある症例、切歯孔が複数個あるなど。当院でも思い当たる症例があり、さっそく帰国してCBCTを開いてみました。切歯孔の中央の線は隔壁でしょうか。1┘のインプラント埋入の際に当たりそうで埋入に苦労したことを覚えています。これからのCBCTの読像が明らかに変わると期待しています。

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ノートン教授にはリクエストした顎関節を丁寧にdissectionしていただきました。内側翼突筋・外側翼突筋の下顎頭への付着、翼突下顎隙周囲の解剖などアトラスだけではなかなかイメージできませんでしたが、講義の翌日のdissectionで、より理解することができました。ノートン教授の手さばきをみていると頸部郭清術を思い出し、解剖の理解の大事さを痛感しました。われわれGPとしてもこれらの解剖を知ることが診断・治療をスムーズにできると確信しました。贅沢な時間をありがとうございました。

最後にPHIJ関係者の皆さまお世話になりました。
貴重な体験をさせていただき光栄に思います。

辻本美穂先生(鈴木歯科医院・越谷エース歯科)

インストラクターの先生方が、とても優しくコースの内容以上に指導してくださり、また、柔軟に対応して頂け大変嬉しかったです。

林祐里先生(University of Nebraska Medical Center)

英語力に不安があったので、通訳が入ると知り、安心して受講することができました。私はインプラント解剖実習をメインで考えていたのですが、CBCTの授業や臨床解剖の授業もとてもわかりやすく、今まであやふやだった知識を正すことができました。また、質問しやすい環境も整っており、疑問に思ったことをその場で解決することもできました。(講師の先生はわからないところがあればその場で授業を止めて質問してもいいとおっしゃってくださいましたが、私は勇気がなかったので休み時間に質問していま した。
3日目午前中にインプラント実習があり、2人に1体のカダバーが提供されそれぞれに1人の講師の先生が付き、インプラント体やボーングラフト材料など十分に用意いただき、とても贅沢な実習だと感じました。
今まで、神経や血管の位置をイメージしながら口腔外科をやっていましたが、重要な神経や血管を避けるため、実際に見ることは少なく、今回の実習を終えてより、イメージをしやすくなったように思えます。
学生の時の解剖実習とは全く異なり、実際に臨床を経験した後だからこそ湧いてくる疑問や気になる点などもあり、本当に充実した時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

相浦早紀先生(つきやま歯科医院)

いつ頃だったか、歯医者って解剖必要なの?と歯科関係でない友人から尋ねられたことをふと思い出しました。100人中100人の歯科医が“必要不可欠”と答えるでしょう。では、加えて解剖の知識がありますかという質問に、どれだけの歯科医が“はい”と自信をもって答えられるでしょうか。かく言う私も、“学生の時にしました”と、何とも意味不明な答えをしていたかもしれません。
本コースは、この私が再び訪れることがあるだろうかと思わずにはいられないほどに移動時間を費やすオマハという土地で開催されましたが、日本とは異なる水平に遠く広がる景色をみると、日常臨床から異空間にやってきたとさえ感じるものでした。しかしコースの内容は臨床に則したもので、全ての講義や実習がそうであり、さらなる意欲と刺激を生み出しました。まだ臨床経験の浅い私には、全てを即実践できるとは決して言えませんが、学んだ内容を元に、CTの見方や専門治療の見方から変えていけると思います。
帰路の機内で、僅かばかりの身体の疲れを感じつつも、オマハでの数日の経験で頭も心も満たされ、その重みをかみしめました。そしてその充実感に浸るだけでなく、それを自分の臨床に生かしてはじめて、この経験が意味をなし、自らの身につけたと言えるのだと考えます。先人が積み重ねた結晶が、今尚、形を変えつつ現代に在り続ける姿に医学の発展の面白さを感じ、だからこそ医療者の修得意欲は消えてはならないのだと実感しました。