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2010 オマハコース

活動報告

2010年オマハ研修

■Perio Health Institute Japan Course 2010 Omaha Program開催にあたって

熊谷 崇 (日吉歯科診療所)

 

Oral Physician育成セミナー本コースでは、歯科医療哲学、メディカルトリートメントモデル、メインテナンスシステムといった、歯科医療の根底を成す部分を中心にプログラムを組んでいます。というのも、これらの点が、日本の歯科医療と世界標準の歯科医療と比較した際に、日本が最も遅れている部分と感じているためです。しかしながら、予防やメインテナンスで歯科疾患の全てが解決されるわけではありません。予防を突き詰めれば突き詰める程、予防の効果が見えてきますが、同時に限界というものも見えてきて、質の高い治療の必要性を感じます。削らない手法と削る手法という言い方をすると、予防と治療は、あたかも対極を成すもののように感じますが、実際には、予防と治療は対極でなく、両輪もしくは両翼を成すものです。
そこでOral Physician育成セミナーでは、Advanced Courseとして、「SRPセミナー」「CRセミナー」「リスク評価セミナー」「口腔内写真撮影セミナー」そして、「海外研修」を行っています。
現在「歯周再生療法とインプラント治療」をテーマに2010年の海外研修を企画しています。日程は、3月に東京で2日間のインプラント治療に関する講義、埋入実習、5月にTexas州Houstonで歯周再生療法とインプラント治療に関する5日間の講義、実習、ライブオペ見学、9月にNebraska州Omahaで3日間のインプラント治療に関する講義、解剖実習を予定しています。メイン講師は、2008年に引き続き、米国歯周病専門医で、元米国歯周病学会会長であるTexas州HoustonのMichael K. McGuire先生とTodd E. Scheyer先生、宮本貴成先生をはじめとするNebraska州OmahaのCreighton大学講師陣です。

 

■Perio Health Institute Japan Course 2010 Omaha Programを終えて

コースコーディネーター:仲川 隆之(日吉歯科診療所)

3月の東京プログラム、5月のヒューストンプログラムに続き、9月18日から20日までの3日間、Perio Health Institute Japan Course 2010の集大成としてオマハプログラムが開催されました。

ネブラスカ州オマハのクレイトン大学歯学部の全面協力のもと、充実した3日間となりました。特に米国における歯科解剖のベストセラー「Netter’s HEAD NECK ANATOMY FOR DENTISTRY」を執筆されたNeil S. Norton先生が中心となって行われた解剖実習は、インプラント治療に限らず、歯科医療全般に必要な頭頚部解剖に関する情報が余すところなく網羅され、学生時代以来、長く解剖学から離れていた参加者にとっては、大変貴重な経験となったようです。

 

プログラム概要は以下の通りです。

 

  • ◇ 9月18日(土曜日)
    • Application of Dental Anatomy for Dental Implants and Bone Grafting
      • (歯科インプラントと骨移植に対する歯科解剖学の応用)Neil S. Norton
    • Prognosis vs. Actual Outcome, Application of Practice Based Research
      • (予後と結果、臨床研究の応用)Martha E Nunn
    • Advanced Implant Dentistry, Localized Ridge Augmentation
      • (インプラント歯科学、限局性骨増生)Takanari Miyamoto
    • Temporary Restoration for Dental Implant
      • (歯科インプラントのための暫間修復)James G.Gerner

 

  • ◇ 9月19日(日曜日)
    • Clinical Application of CT
      • (CTの臨床応用)
        • Douglas K Benn
    • Implant Cadaver Lab Course
      • (インプラント解剖実習)
        • Dr. Norton、Dr. Miyamoto、Dr. Parrish、Dr. Lang、Dr. Olmo、Dr. Lanphier

 

  • ◇ 9月20日(月曜日)
    • 手術見学
      • (インプラント埋入:Dr. Lang、歯周外科:Dr. Parrish、
      • 歯周再生外科:Dr. Miyamoto、遊離歯肉移植術:Dr. Olmo)
    • 受講者によるトピックプレゼンテーション:
      • Sinus complication following sinus lift procedure
        • (サイナスリフトに伴う上顎洞の合併症)
      • Mandibular nerve injuries following implant placement
        • (インプラント埋入に伴う下顎神経損傷)
      • Localized Ridge Augmentation, why, when and how?
        • (限局性骨増生、なぜ、いつ、どのように行うのか。)
      • Management of occlusion in implant dentistry
        • (インプラント歯科学における咬合の管理)
      • Management of Peri-implantitis, why, when and how?
        • (インプラント周囲炎の管理、なぜ、いつ、どのように行うのか。)
    • 受講者によるインプラントケースプレゼンテーション

 

歯周治療、インプラント治療のレベルアップを図りたい先生方には、次回の研修にぜひご参加いただきたいと思います。

■研修費

2010年3月13〜14日(Tokyo)、2010年4月30~5月4日(Houston):500,000円
2010年9月18日~20日(Omaha):250,000円
合計:750,000円
※交通費、宿泊費、飲食費、パーティー費、材料費、通訳費等は別途かかります。

■感想文(参加者名をクリックすると内容が開きます)

森宿歯科医院:佐藤 克典

■PHIJ・オマハ・クレイトン大学研修に参加して

今回は9月18日から9月20日にかけてPeriodontics Health Institute Japanの研修最終章である、ネブラスカ州オマハにおけるクレイトン大学でのインプラント研修に参加しました。

まず9月17日(金)に成田空港を出発し、ミネアポリスにて飛行機を乗り継いで目的地であるオマハ空港に到着しました。成田を午後4時に出発し、オマハに午後4時30分に到着し、全工程は14時間30分の長丁場でしたが、ヒューストン研修など回数をこなすうちに長時間飛行機に乗ることに苦がなくなっている自分に、人間とはこのように環境に慣れるものなのかと思いました。また今回は飛行機の座席が同じ参加者の先生と近いこともあり、いろいろな医院での悩みや近況を相談していたこともあり、時がたつのがいつもより早く感じられました。
ミネアポリスにて中山先生と合流し、オマハ空港に到着するといつもの笑顔で宮本先生が出迎えに来てくださっていました。中山先生と宮本先生には今回を含めPeriodontics Health Institute Japanの研修ではお世話になりっぱなしでいますので、いつかこのご恩に報えるように成長しなければいけないと思います。
この日はホテルにチェックイン後にそれぞれに夕食を済ませ、渡米の疲れと時差の調整、翌日の解剖の試験に向け早々にホテルに戻りました。

9月18日(土)になり第1日目が始まりました。まず開始に伴い、宮本先生により今回のクレイトン大学での講義の内容、趣旨、目的についてお話があり、解剖実習にあたりご遺体を寄贈してくれたご家族のためにも、真剣に取り組んでほしい旨が伝えられ、今回この実習に参加できることに感謝しつつ、協力してくれているすべての方々の期待にこたえられるよう頑張ろうと思いました。
つづいて解剖の試験が行われ、それほど深い内容は求められないのではと、参加者の中で推測されていましたので、そこで求められている内容の深さに今回の研修をおこなう先生の本気度も伝わりました。自分も含め、みな戸惑っていましたが、最後まであきらめず、内容はあまり振るわなかったかもしれませんが、最後の時間まで粘って取り組んでみました。
試験のあとは明日の解剖実習に先立ち、内容の理解のために講義が行われました。Netter’s HEAD AND NECK ANATOMY FOR DENTISTORYの著者であるNEIL S. NORTON教授による講義が行われ、骨学におけるランドマークについての説明、鼻腔についての特徴、上顎における三又神経についての役割が解説され、NETTER先生のわかりやすい絵とともに理路整然に説明される解説に、口腔内の解剖への理解が深まりました。もし大学での学生時代にこの講義が受けられたら、口腔内の基礎解剖が好きになっていたのではないかと思えるような内容でした。下顎の三又神経についての役割については明日の解剖実習の時間に講義を行うということで、とても楽しみです。
昼食を終え、午後の講義は、Martha E Nunn先生によるPrognosis(予後)についての最新の考え方が提示され、MET(Multivariate Exponential Survival Trees)についての考え方が解説され、30年経過症例に関する予後の診断についての重要事項が解説されました。Nunn先生の研究は、以前のヒューストン研修における英語論文の和訳の文献の一つでもあり、その後の研究の最新情報の結果を見れてとても参考になりました。この中で審査項目に多くの新しい条件が加味される中で、それをいかに調整していくことにとても興味があるというお話を伺い、前向きな姿に自分も努力しなければいけないと思いました。
つづいて、宮本先生による、部分的骨造成におけるより複雑な症例に対する処置についての講義が行なわれ、ヒューストンでの基礎的な内容をより深め、難症例に対し適切に状況を診断し、歯周組織の環境を整えることがいかに重要であるかということを、豊富な症例とともに わかりやすく解説され明日の臨床に役立つ内容でした。
第一日目の最後にJames G. Gerner先生による前歯部インプラントのテンポラリー・レストレイションについて基礎から応用症例について解説されました。症例患者の方の口腔内が、もし自分の娘だったらどうするかを考えて診療に当たったという言葉を聞き、自分も日々の臨床で自分の携わる患者さんの口腔内が、もし自分の家族だったらいかに取り組むかを考え、常にベストを尽くしていかなければいけないと思いました。

9月19日(日)になり第2日目が始まりました。午前中は、CTについてクレイトン大学の放射線科の教授であるDouglas K Benn教授の講義でした。温厚で知的なBenn教授の講義は分かりやすく、CTとデンタルやパノラマ比較では、臨床でそれらを使う場合、それぞれの特性を生かし、必要に応じた選択が重要であることがわかりました。また臨床に準じた解説でしたので、CTでの下歯槽神経の走行やオトガイ孔からのオトガイ神経の分布などとても参考になりました。また、上顎洞の読影も前日のNORTON教授の解剖の講義を受けていたこともあり、関連づけて理解できたのでとても参考になりました。
昼食に続いて、午後は今回のコースの目玉でもある、NORTON教授による解剖実習が行われました。1グループに1体のガダバーが用意され、あまりホルマリンにつけられていない状態だったので、皮膚や筋肉が柔らかい状態での実習でした。ご遺体はご家族からの寄贈により用意された貴重なもので、医学の進歩のために用意されたものでした。ご家族の意思やご遺体の思いを胸に実習に望みました。まずNORTON教授による下顎の下歯槽神経についての講義があり、引き続き実習で行う上顎洞の側方からのアプローチの仕方をNORTON教授が行ってくれました。講義と実演の後、それぞれのグループの解剖する顎骨のCTの読影(実習前にすべての顎骨のCT撮影を行っていただいておりました)を行い、上顎洞から歯槽頂までの距離を確認し、上顎洞の側方からのアプローチを行いました。その後、インプラントを各自が埋入し、ピエゾサージェリーの器具を体感し、ソケットリフトの器具にて実際にソケットリフトを行いました。それぞれの手技を実際に顎骨に行うことができたので、その感触や硬さを体験できることや解剖学的な形態を実物で見ることができたことはとても有意義なことでした。実習時間も2時間も延長し行われ、最後まで付き合ってくれたスタッフの皆様には感謝の気持ちでいっぱいでした。インプラントや骨の再生、外科処置を行うには、やはり解剖実習に参加しておくことは有意義なことだと思いました。

9月20日(月)になり第3日目が始まりました。この日はライブサージェリーの見学を午前中に行いました。Lang先生によるインプラントの埋入と宮本先生によるGEM-21による骨の再生手術、Parrish先生による骨切除、Olmo先生による遊離歯肉移植術が行われ、実際にその手技を近くで見学することができたことはとても良い経験となりました。
昼食の後に各グループによるトピックプレゼンテーションとケースプレゼンテーションの発表が行われました。各グループのトピックプレゼンテーションの課題は
Group 1: Sinus complication following sinus lift procedure
Group 2: Mandibular nerve injuries following implant placement
Group 3: Localized Ridge Augmentation, why, when and how?
Group 4: Management of occlusion in implant dentistry
Group 5: Management of Peri-implantitis, whey, when and how?
でしたが、各グループとも文献や書籍から情報をまとめ,とても充実した内容でした。
B班からは市野先生がまとめて発表しました。とても堂々と立派に発表していました。各グループのトピックプレゼンテーションと同時にケースプレゼンテーションの発表も行なわれました。こちらも内容豊富なもので、各先生方の日々の臨床をみることができて、とても参考になり良かったです。自分もB班を代表し、ケースプレゼンテーションをさせていただきましたが、まだまだ伝えたいことが上手く伝わらなかったのではないかと反省しております。またケースプレゼンテーションを英語に翻訳するに当たり、中山先生にはお忙しい中、プレゼンのチェックをしていただき感謝しております。
グループプレゼンテーションの終了後は、夕食とサティフィケートの授与式が行われました。オマハでは第2の高さを誇るビルの最上階にあるPress Clubにて行われ、とても眺めの良い場所でのパーティだったのと、研修も終了したこともあり、皆リラックスして夕食や会話を楽しんでおりました。今回いただいた修了書は盾に文字が入れられたものでとても記念になりました。

9月21日(火)になり無事クレイトン大学での研修を終え、オマハから成田に向けて帰国の途に着きました。帰りはデトロイト経由で成田に向かいオマハを後にしました。オマハからデトロイトは、一度東のほう(日本と逆の方角)に向かい、そこから日本(西の方角)へ戻る経路なので20時間(機内18時間)をかけての帰国となりました。さすがに12時間を越えると、時間を長く感じましたが、多くの先生方とお話することができて、これはこれで有意義な時間ではありました。また帰国の便ではタイに戻られる外国人の団体の方々と席が近くなり、"高校生の修学旅行の団体に遭遇した京都旅行"のように、機内はとてもにぎやかで、やや迷惑な印象でした。こうしてみても日本人は外国の方々と比べると、とてもおとなしい人種なのかなと思いました。今回の研修ではこれがいつもの研修につきもののアクシデントのひとつなのかなと思いながら、機内を過ごしておりました。長い飛行時間が過ぎ、成田に着いたときには、ほっとするとともに、見慣れた風景にやはり日本は良いなと思いました。

今回のPHIJ オマハ・クレイトン大学研修に参加させていただくにあたり、このような魅力的で実践に即した研修を企画運営していただいた熊谷崇先生、Michael McGuire先生、E. Todd Scheyer先生、宮本貴成先生、中山吉成先生、クレイトン大学の先生方、現地でお世話をしてくださいましたスタッフの方々、シロナデンタルシステムズ、アストラテック・ジャパンの方々、今回の研修で所属したBグループの皆々様のお陰で無事研修を終えることができたと思っています。このご恩に報えるように、いかに日々の臨床に今回の研修で習ったことを実践していくかを真剣に考えていこうと思います。今回の研修に参加するにあたり、日々の診療を支えていてくれるスタッフと研修の機会を笑顔で送り出してくれた自分の心の支えである家族に心から感謝したいと思います。

太田歯科医院:太田 貴志

■オマハ研修雑感

オールドマーケット、その町並みは、古き良き歴史を醸し出しながら、私たちを迎えてくれました。その一廓から、私たちはクレイトン大学に足を運びました。至る所で、出会う人たちは、みな一様に笑顔で迎えてくれます。大都市とは違って、皆がおおらかなのかもしれません。大学もまたそうでした。私たちを迎えるのに、多くの時間を費やし、万端の準備をしていただきました。

今回のメインは、やはりカダバー実習に有るわけでしたが、期待通り、それ以上の内容でした。私は大学を卒業してはや、30数年の時が経ようとしていますが、これほどの実習が出来るとは思ってもいませんでした。今回初めてインプラントを手がける事になりましたが、やはりこういった実習を十分に経験した上で、そこに、3次元的な画像解析を駆使して、行うことの、重要性を、目の当たりに経験する事が出来、今後の自分の臨床に大きな、影響を与えてくれたと思います。欲を言えば、せっかくの機会なので、もう少し多くの時間を実習に当てていただいても良かったかなと思います。ライブオペに関しては、ヒューストンでも十分に時間を割いていただきましたし、その分を実習に当てても良かったのではと思います。次回はオマハ実習が、ヒューストンに先行するということですので、その辺を考慮に入れていただければと思います。

そして、「Nettr’s Head and Neck Anatomy for Dentistry」の著者本人のノートン先生に目の前で解剖していただき、種々、ポイントを実際に示していただいた経験、圧巻です。この本が、より身近な本になったのは確かです。

各班のケースプレも非常に、充実した内容で、それぞれのグループの絆が感じられました。

最後のパーティの席上でも述べたように、ヒューストンにしても、このオマハにしても、本当の意味で我々を暖かく迎え入れてくれて、多くの示唆を与えていただいた、その根底には、患者さんの利益を第一義的に考える、真摯な共通の意識が有るからだと思っています。企画、準備、運営に本当に多くの時間と労力を割いていただきました。この機会を大きな飛躍のきっかけにしたいと、強く、心に刻んだところです。この機会を与えていただいた、熊谷崇先生、宮本貴成先生、大きなサポートをしていただいた、中山吉成先生、そしてシロナデンタルシステムズ株式会社、アストラテック株式会社の方々に大きな感謝を申し上げます。

緑町斎藤歯科医院:斎藤 直之

■PHIJオマハ研修を終えて

PHIJが終わりました。

3月から始まったPHIJの日程がすべて終了しました。

私にとって大きなターニングポイントとなる素晴らしいセミナーでした。
最後のオマハにおけるセミナーは、私たちにとって本当に基本となる解剖学実習を中心としたセミナーでした。

このセミナーの初日が私の54歳の誕生日でした。この日が、44歳の誕生日、34歳の誕生日であればどんなに良かっただろう。そんな想いがありました。
もっと早く、基本の大切さを知り、そのベースに立って再教育が受けられていたらもっと素晴らしい歯科医療を展開できるプロフェッショナルになれていただろう。そんな想いが頭をよぎりました。

しかし、次の瞬間、今ここに自分がいることの幸せを感じました。自分にとって必要だったことを明確に伝えられ、わかりやすく教育を受けることができている。本当に幸せだと感じました。

そして、自分のミッションを考えました。それは、一つは、残された時間を目一杯使い本当のプロフェッショナルとして最高の歯科医療を提供していくこと。もう一つは、次の世代の人たちに自分と同じ想いをさせず、少しでも早く、本当のプロフェッショナルなれるように手助けをしていくこと、目指すべき一つの姿を身を以て示していくことだと感じました。

自分自身が何を目指していたのか。何になりたかったのか。それを明確にすることができました。

もう、54歳なのではなく、まだ、54歳なのです。しかし、頑張るための時間には限りがあります。その時間を最大限に集中して、エネルギーをフルに発揮して結果を出したい。本当に心から感じました。

私たちが世界基準の歯科医療を展開し、歯科医療の価値を上げ、社会に貢献するために本当のプロフェッショナルとなるためにPHIJの今回の取り組みは、本当に必要なことだったと思います。少なくとも私自身には絶対必要でした。
体験してはじめて一人で学べることではないことがわかりました。私たちには、生涯を通しての心棒の通った教育システム、目標を明確にした教育システム、前進を続ける教育システムが必要なのだと痛感しました。

私たちが、歯科大学に入り、歯科医療を学んできました。それなりに学んできたつもりです。しかし、もう一度今自分たちが実現したい歯科医療に照らして、学び直す、整理し直す、アップデートする、そして、目標の実現という結果に結びつけることが必要なのだと感じました。

学び続けるためのセミナーだったと思います。臨床に生かし、結果を出すためのセミナーだったと思います。

解剖学、放射線学、歯周治療、インプラント治療に関しての縦横に繋がった講義が、とても有益で、とても楽しいものでした。ビデオを帰りの飛行機の中で再度見ました。ジェットラグで記憶の曖昧だった部分も確認しました。さらに鮮明に私たちのミッションが見えてきたように感じます。

PHIJセミナーは、オーラルフィジシャンのアドバンスとしてのセミナーです。自分たちの行っていることが、本当に市民の利益に繋がっているのか。それぞれができていること、できていないことは何なのか。常に真摯に向き合ってこれからも前進を続ければならないと感じました。

クレイトン大学の先生方は、プレゼンに対して素晴らしいと言ってくださいました。それぞれのプレゼンは素晴らしかったと思います。しかし、私たちが考えなければならないことは、もっと素晴らしい取り組みをし、結果を出していくためにはもっと何ができるかを常に考えることだと思います。資料を確実に記録しているか、規格性はどうか、将来エビデンスとなりうるようなデータか、常に最高を求めている必要があると思いました。その意味でも、これからの定期的な集まり、情報の交換、それぞれの結果の提示が必要で、今日をそのスタートとして位置づけることがとても重要ではないかを感じました。

どうしてここまでしていただけるのだろうと感じるセミナーでした。それだけ、私たちに課せられた使命の大きさを感じざるを得ませんでした。

本当に幸せな時間でした。これからもこの時間をさらに大きくできるように頑張りたい。そんな感じを持つことができました。クレイトン大学の皆さん、宮本先生本当にありがとうございました。シロナ、アストラテックの皆さん本当にお世話になりました。ありがとうございます。

PHIJは終わりました。が、私たちの本当の挑戦が始まります。

佐々木歯科医院:佐々木 英夫

■オマハ研修に参加して

9/17(金)〜9/22(水)まで、アメリカのネブラスカ州のオマハにあるクレイトン大学で卒後研修セミナーに参加させていただきました。

クレイトン大学はアメリカで最も古い歴史のある大学で、アメリカの歯学部学生の解剖の教科書になっている「Head and Anatomy for Dentistry」という本を執筆しているNorton教授に、口腔外科領域の解剖学を徹底的に学びました。
学生の時にはわかりませんでしたが、解剖学の理解はとても大事で、日本でもこのような研修が行われることを望みます。

一日目は、最初に英語にて解剖学の試験があり、宮本歯周病学教授によるアドバンスなインプラントケースやリッジオギュメンテーションの重要性。 Nunn教授による Researchの方法論の講義。また, Gerner教授によるテンポラリーレストレーションによる審美的なインプラントの構築について、盛りだくさんな講義でした。

二日目は、インプラント手術の際にもっとも診断で重要な CT読影の専門家、放射線学Benn教授による CT診断学を半日教えて頂きました。
自分の診療室で日頃使用している CTですが、頭部すべての部位を読影することのむずかしさを実感し、今後も継続的に学ぶことの重要性を感じました。

二日目の午後は、今回の研修で一番興味のあった献体を使用しての 「Cadaver Lab Course」でした。献体を使わせて頂いて口腔内の神経や血管の走行、筋肉や骨質の状況などを良く理解できた貴重な経験でした。
実際にサイナスリフトやインプラントの埋入など、専門医から指導を受けながらの実習はとても勉強になりました。日本ではできないとても貴重な実習でした。ありがとうございます。

三日目の午前中は、大学の診療室での インプラントや歯周外科手術のライブオペ見学をさせていただきました。また時間に余裕ができたので、前日のCadaver実習の続きをさせて頂き、インプラントオペの確認を実習させて頂きました。
また、午後は各グループによるディスカッションやケースプレゼンテーションを行いました。私の班は、インプラントと咬合の問題についての発表と2症例ケースプレゼンテーションをおこないました。各グループともとてもレベルの高い発表でとても刺激を受けました。
夕方から研修修了書の授与式をかねて、懇親会がおこなわれ、大学の総長や学部長、病院長なども参加されたとてもすばらしいパーティーでした。日本から来た私たちをとても歓迎して頂きました。

今回も前回のヒューストン研修同様、班ごとでのケースプレや、宿題発表などがあったため、事前の打ち合わせや現地での話し合いなどで、同じ班(私は D班)の人達と一緒に行動することが多く、とても仲良くなることができました。
同じ苦労を供にしたという連帯感がわき、一生の友を得たような気がしています。みなさん、とても熱心な人ばかりで、今後も刺激し合える仲間でいて欲しいと思います。

今回の研修は、事前の準備が今までにも増して大変だったと思います。
お世話になった先生方には、本当に感謝いたします。
特に宮本先生、本当にありがとうございました。

今回参加できなかった先生方には、次回参加されることをお勧めします。

日吉歯科診療所:加藤 大明

■2010オマハ研修を終えて

今回のオマハにおけるクレイトン大学での研修の最優秀講師賞は、全員一致でNeil Norton先生であろう。初日の午前中の口腔解剖学の講義は、英語でかつ時差ボケが激しい時間帯であったにもかかわらず、非常に理解しやすい充実した内容であった。下顎骨、上顎骨、副鼻腔、三叉神経のV2、V3を順番に、それぞれの部位を1枚1枚組織を剥ぐように、また360度の回転映像をみてるかのように丁寧に教えてくれた。翌日の解剖実習も、講義と同様に、こちらは文字通り1枚1枚組織を剥ぎながら深部の解剖まで確認することができた。今まで解剖の教科書の絵をみて頭に思い描いていた組織を実際に見る事ができ、今後臨床を行なう上で、より大胆にかつ繊細に施術を行なうための自信となった。また当初の予定は2日目の13:00-16:30だけの予定だった解剖実習を、Norton先生が我々のために2日目は18:30まで、翌日は午前中いっぱいまで大きく延長してくださったことは、今回の研修においてもっとも感動した出来事であった。

今後、またクレイトン大学において解剖実習を企画していただくことが叶うのであれば、初日:講義と解剖、2日目:講義と解剖、3日目:解剖という具合により解剖に特化した内容で受講できたら大変有り難いと思った。

マーサナン先生の講義も秀逸でアクセプト直前の、種々の因子の歯牙の予後への影響を比較した図は大変興味深かった。パブリッシュされるのが楽しみだ。

3月から始まったこの長い研修を支えてくださった企業の方々、Perio Health Professionalsの講師陣、クレイトン大学の講師陣、宮本先生、熊谷先生、そして米国や参加者と約1000通のメールのやりとりや研修全体のマネジメントを行なってくれた職場の同僚の仲川隆之君に感謝致します。

そして何よりも、公益のために献体をしてくださった5名の方々に心より感謝と尊敬の念を捧げます。

いがらし歯科医院:五十嵐 三彦

■Omaha海外研修の感想REPORT
今回のOmaha研修は、今までになく自分にとってとても有意義なものでした。
今までは何気なくおぼろげな解剖の知識で、手術を行っていた自分に反省することが多々ありました。とくに私は手術見学とかはせずに解剖レクチャーを二日にわたり、宮本先生の取り計らいにより、ノートン先生にご教授いただきました。顔面の神経、静脈、動脈の走行を確認し伝達麻酔の方法やその他手術時に起きる偶発症とくに神経損傷、出血の回避について学びました。自分としてはあと2,3日解剖に時間がほしいと思いました。
宮本先生、ノートン先生が御苦労をされて集めくだされた貴重なcadaverですもう少し、軟組織、骨のGraft手術を実習、alveolar ridge augmentation等の各手技の手法の確認等など有効に取り扱く事が出来ればと考えました。

また、クレイトン大学は広大で歯科大で歯科大生は臨床実習として、メディケイド(アメリカの医療保険制度は、基本的に個人が民間企業の保険に加入して、必要な場合に医療費を給付してもらう制度となっている。メディケイドは、この民間の医療保険に加入できない低所得者・身体障害者に対して用意された公的医療制度)の方の治療をおこなっていました。とてもアメリカ的功利主義で合理的なものであると感心しました。

そして、この講習を受講したことにより、今後の自分の向かう方向性がおぼろげながら、明かりが見えた気がいたしました。

また、このツアーを企画していただいた。熊谷先生、マクガイヤー先生、宮本先生、ノートン先生。また、コーディネイトしていただいたSIRONA社、アストラテック社の方々真にありがとうございました。そして、現地において多々世話をかけた仲川先生、クレイトン大学の皆様大変お世話になりました。

そして、Team A(太田先生、斉藤先生、小玉先生、塩澤先生)貴重な時間を素晴らしい先生方と時間を共有できたことに感謝いたします。
皆さま今後とも色々ご迷惑をおかけしますが、ご指導のほどよろしくおねがいいたします。

わかみ歯科クリニック:小玉 尚伸

ヒューストンに続いてペリオヘルスインスティチュートジャパンのオマハコースに参加しました。

今回の研修のトピックは解剖学でした。

研修は解剖学のクイズから始まりNetter’sHEADANDNECKANATOMYFORDENTISTRYの著者NEILS NORTON教授の講義を3時間受講しました。
インプラント治療にとって重要な解剖の知識をコンピュータ画面にスケッチを用いて、とてもわかりやすく解説していただきました。改めて基礎的知識の大切さを認識し、忘れていた学生時代の知識がよみがえってきました。
また、Benn教授のCTの読影の講義では解剖学的知識とのリンクができるようになるとても有意義なものでした。

2日目の午後はcadaverの解剖実習でした。私の班はNorton教授から上下顎の神経、血管、筋肉の剖出をライブで見ることができました。これは、日本ではなかなか経験できないことであり、今回の研修での最大の収穫でした。

3日目には、手術見学が予定されていましたが、私は、Norton教授のご厚意に甘えて、再度解剖実習をさせていただきました。三叉神経の伝達麻酔のやり方を神経血管の走行を解説しながら、なぜそこに麻酔するのかなぜそこに麻酔が奏功するのかを懇切丁寧に解説していただきました。また、インプラントや埋伏歯の抜歯時に注意すべき事項についても教えていただきました。

午後からは各グループの宿題発表が行われました。A班のトピックは私が担当させていただきましたが、他班の発表をみると参加された先生方がとてもよく勉強されていることが伺われ、私の発表内容のつたなさが、皆さんに迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
東京~ヒューストン〜オマハと約半年にわたる研修を終えて、参加して本当によかったと思います。宿題があるとてもタフな研修でしたが、その分、得られたものが多く、コースディレクターの宮本教授に心からお礼を申し上げます。

また、マグワイア先生、中山先生、通訳の岩上さん、事務局の仲川先生、アストラ、シロナの皆様、参加された先生方、特に五十嵐先生、太田先生、斎藤先生、塩澤先生ありがとうございました。

最後に、このようなStateoftheArtな機会をくださった熊谷崇先生に深く感謝いたします。

緑町斎藤歯科医院:塩澤 彰久

■Oral Physician海外研修 Advanced Periodontics Course 2010 in Omahaに参加して
東京コース、ヒューストンコースに次ぐ一連の研修の最後として3日間のオマハコースを受講しました。オマハコースはクレイトン大学の全面的なバックアップのもとに、Cadaver実習を中心にインプラントに関する講義、実習、オペ見学、プレゼンテーションと充実した内容になっていました。

とくに、Cadaver実習ではNorton先生、宮本先生を中心としたクレイトン大学講師陣に丁寧に指導していただきました。事前に撮影されたCTデータと実際の解剖体を比較したり、上顎洞を含めた口腔周囲の解剖構造をNorton先生からレクチャーを受けたり、サイナスリフトを含めたインプラント埋入実習を行ったりと、この研修でなければ経験できないような内容でした。とくに自分のようなインプラント初学者には非常に有意義なセミナーだったと確信しています。

3月の東京コースから半年間、ペリオ・インプラントに関してとても素晴らしい経験をさせていただきました。自分が経験を積んでレベルアップできれば、さらに見えてくるものが違ってくると思われるので、また数年後にこのセミナーを受講できればと思います。

この素晴らしいコースを組んでいただいた熊谷先生、McGuire先生、宮本先生、Scheyer先生、Norton先生をはじめとするクレイトン大学の先生方、コースリーダーの仲川先生、中山先生、通訳の岩上さん、PHPのスタッフの方々、シロナの方々、アストラテックの方々、そして、一緒に研修に参加した先生方、全ての方に心から感謝します。ありがとうございました。

矢野歯科医院:矢野 章

オハマ研修に参加して
今年の3月から始まったPHIJのコースですが、ファイナル・ラウンドともいえる、オハマの研修が終了しました。
率直にいって、大変勉強になったの、一言です。
私自身、歯周病を中心の治療を25年歯科医療に携わってきました。インプラント処置も20年を経過したなかで、適応症例、術式もいろいろと変わってきました。特に、様々なインプラントの中から、どれを選ぶのがよいのか?材質なのか、形状、価格と様々悩まされることが多く、その基準が自分の中で曖昧でした。

日本の歯科医師は、一度免許を取得すると、一生継続できるため歯科医師の技術レベルに差が生じてしまうことが問題となっています。日本以外は更新制度採用している国も多く、歯科医師の技術レベルを一定に保っていると聞いています。私も、20年以上前に、基本的なインプラント手技を勉強したのみで、他は、短期間の講習会、書籍等で、勉強をしてきました。しかし、忙しい診療のなかで、また、情報があふれるなかで、自分の頭を整理することができないのが現状でした。

今回のコースを通して、自分の診断、治療計画により自身が持てるようになったことは最大の成果です。

さて、オハマ研修は、現在、日本では行えない解剖実習はとても、有意義で、特に何もわからない学生時代とは違い、臨床経験を踏んだ今だからこそ、本当に意味のあるものでした。特に基礎的な科目を一から復習できる機会は自分ではなかなか作れず、このような機会を与えてくれた、オハマ研修に感謝しております。

末筆ではありますが、この数年参加した研修の中では、一番有意義であり、一番忙しい研修会でありました。また、参加された先生方といろいろな意見交換ができたことも、大変有意義でした。

古賀歯科クリニック:古賀 勝博

■オマハ研修を終えて

いよいよ、今回はオマハ・クレイトン大学での研修でした。
東京→ヒューストン→オマハと、1年間を通じての研修でしたが、さすがに仕事+会+宿題+家庭となるとさすがに少々お疲れモードはいなめず、GW・シルバーウィークにもいないとなると、多方面からのプレッシャー(特に家庭)は大きかったです。そういった感じで、オマハ研修を迎える事になりましたが、研修が始まると、とても内容が濃く、大変ながら楽しい研修となりました。

今回もいろんなスペシャルな講師陣による、すばらしい講義や実習を受ける事ができました。その中で、特に印象に残ったのはやはり解剖実習です。オマハへ行く前に予備知識を入れてから、ノートン先生の講義を聞き、その後カダバーで埋入実習を行い、さらにクレイトン大ペリオ講師陣による、あらゆる症例のライブオペを実際に見るというほかではありえないコースでした。埋入実習は、グループに1人担当講師の先生が付いてくださり、先生の解説のもと行なわれました。ありとあらゆるNERVEの位置や走行の確認や、オステオトームによるソケットリフト、ピエゾによりサイナスへのアプローチ、骨扉・骨窓の形成、メンブレンの剥離、スプリットクレスト等、「こんなにやってもいいのですか?」と思いながら、皆で考えいろんな事をやらせていただき、とても満足です。ノートン先生の神業的NERVEの発見スピードは大変驚きものでした。

このような、他にはないコースを受けた後いつも感じるのは、日本とのギャップです。「生まれるところを間違えたかな?」と感じるほどの歯科医療の違い。この違いを少しでも埋めるために今は働いている感じが段々としてきています。また、最初は「結局インプラントってどうなの?」と思っていましたが、今は「使い方では、かなりいいんじゃないでしょうか!!」と思っています。改めて、予防と治療は両軸であることが認識できました。ここが、今回私にとって大きな収穫かもしれません。

今回の東京からオマハまでのPHIJとしての研修は、宿題から講義まで私の想像を超えるものばかりでした。大変で、きつい場面もありましたが、いろんな方に支えられて、乗りきる事ができました。そして、乗りきった後はとてもスッキリし、視界がクリアになりました。ですので、この研修は、やっぱり皆さん受けたほうがいいと思います。あと、オマハというところはすごく人々が人生を楽しんでいるのが印象的でした。

最後になりますが、今回ヒューストンに続きオマハ研修を企画運営してくださった、多くの関係者の方々、PHIJに参加された先生方に感謝を申し上げます。これからも、なんとか食らいつきながら、OP及びPHIJのメンバーとして走っていきますので、よろしくお願いいたします。

日吉歯科診療所:熊谷 昌大

■オマハ研修感想

今回のオマハ研修は今年の3月から始まったPHIJ研修最後のパートでした。

この研修はただ講義を聞きに行くだけではなく、事前に与えられたトピックについて準備していく必要があり、それがこの研修の質を上げてくれたように感じます。このオマハ研修では解剖学の正しい知識を学ぶことが一番の目的でした。Dr. Neil Nortonによる解剖学の講義はとても理解しやすく充実した研修でした。講義後のカダバー実習では実際に解剖し、組織を確認するだけではなくインプラント埋入やサイナスリフトなどの手技を確認することもできました。いままでインプラント埋入経験のなかった自分にとって実際にカダバーを使用して学べたことはとても良い経験となりました。今後も学び続けることを忘れず日々の臨床に活かしていきたいと思います。

最後にPHIJに関わったすべての方々に感謝と敬意を表したいと思います。ありがとうございました。

日吉歯科診療所:市野 孝昌

■PHIJオマハ研修を終えて

初めて海外研修に参加させて頂き日本では決して味わうことができない充実した研修を経験しすべてが驚きと興奮の連続でした。私は今回の研修の目的としてインプラント手術における頭頸部領域の解剖を理解すること、米国の教育と治療水準を肌で感じることを目的として研修に参加しました。

クレイントン大学講師による頭頸部領域の解剖学、X線読影の講義は歯周外科を行う上で重要なポイントや注意事項を踏まえながらわかりやすく実際の臨床に沿った内容で行われ、講師の先生方は講義中でもとても気さくに質問に答えて頂きスムーズに頭頸部の解剖を理解できました。人体解剖実習では講義の内容を実際の検体を用いて形態や位置関係を視覚的に把握でき理解を深めました。また、米国歯周病専門医による検体を用いたインプラント実習では切開剥離などの基本的手技からインプラント埋入、サイナスリフトなど高度な手技を参加者がオペレーターとなり隣で指導して頂き細かなテクニックを確認しながら実習を進めました。検体を用いて骨を削る、インプラント体を埋入する、上顎洞粘膜の挙上する際の器械的操作などを手指の感覚を通じて体験することで実際に臨床を行っている様な感覚を得る貴重な体験でした。

手術見学では4症例を一つずつ解説を加えながら手術を進め、実習で学んだことが実際の臨床に応用されていました。また、最先端の骨材料を移植する際に様々な論文をもとに適応を選択しながら手術を進め、拡大鏡を用いながらの素早く正確な手技はとても魅力を感じました。

研修を通して日本では絶対に学ぶことができない解剖学の講義と実習、インプラント手術における手技を専門医から教育を受けました。米国の教育は臨床に直結しておりプロフェッショナルを育成する理念や教育プログラムには日本の教育プログラムとの格段の差を実感します。米国歯周病専門医の高度な治療水準を目の当たりにして自分自身より一層学び続けて専門医と同レベルの知識と技術を備えたいと決めました。最後になりますが、この研修に携わって私たちをサポートして頂いたすべての方に心より感謝致します。本当にありがとうございました。

麻生歯科クリニック:高橋 玄

■オマハ研修に参加して
オマハ研修は、私にとって初めての海外研修となりました。

私は、今までインプラント埋入を行ったことがありません。歯を残すことに1番力を入れていますが、不幸にして歯を失った場合の修復方法として、残っている歯に影響を与えないインプラントが最善の治療であると考えています。
献体を用いた解剖実習は、日本の歯学部のカリキュラムに含まれていますが、卒業して行う機会はなく、今回口腔解剖を再確認できたことは非常に勉強になりました。また、解剖とCT画像と照らし合わせをすることでより3次元での解剖の把握につながり臨床における治療計画をたてるうえでの礎となります。

講義やインプラント埋入実習を行い、保存不可能な歯牙の抜歯、骨インプラントの埋入法方向、角度などやその後の上部構造を考慮し治療を行うためには総合的にまだ知識が不足していることを痛感しました。
今回オマハ研修に参加できたことで、今後の課題が明確になり貴重な時間を過ごせました。

オマハ研修を企画して頂いた熊谷先生、研修の中心となっていただいた日吉歯科の先生方、クレイトン大学歯周病学教授の宮本先生をはじめ講演・実習を行っていただいた先生方、同じグループの先生方、シロナ、アストラテック株式会社に本当にお世話になりました。心から感謝しております。

今回参加できなかったヒューストン研修も、今後ぜひ参加したいと思っております。

柴田歯科医院:柴田 貞彦

■オマハ研修を終えて
東京、ヒューストンと続いたPHIJ研修も今回のオマハ研修が最後となりました。研修場所となったクレイトン大学は歴史のある名門校とのことで、施設内に入り廊下を歩いて行くと100年以上前からの卒業生の写真がずらっと並んでおり、改めてその歴史の深さを感じました。また、教官の指導には定評があるようで教育も充実しており、卒業生は臨床医として腕がいいことでも有名だそうです。そのような場で研修できることを幸せに感じました。

そして、今回の研修はその評判のとおりであったと思います。特に解剖は、講義もわかりやすく臨床に則しており、カダバ実習もあったため理解がかなり深まりました。臨床をしてから基礎を学ぶことの意義を改めて感じました。ただ、実習の時間が十分でなかったのが残念でした。もっと時間をかけてじっくり実習をしたかったと思います。そして、今回、われわれのために献体をしていただいた方々に深く感謝いたします。

最終日には、オペを見学する機会がありました。私は主にインプラントケースを見学しましたが、自分のところのオフィスのシステムと比較しながら、見学させていただき色々と参考になりました。インプラントは一度埋入されてしまうとやり直すには多大の犠牲を伴います。したがって、埋入ポジションは極めて大事です。オペレーターのラング先生はとても慎重にそして丁寧にオぺを進められ、その姿勢には学ぶべきものがありました。ま

た、このコースでは、前回のヒューストンと今回の2回にわたりトピックプレゼンテーションとケースプレゼンテンションの機会を与えていただきました。まとめる段階でかなり頭が整理され、また発表後の講師陣からいただいたコメントは理解が深まるとともに自信にもなりました。そして、このような機会がもてたのも、熊谷先生のおっしゃる口腔内規格写真を含め経時的な資料が整っているからこそであり、この点からも、日頃からデータなど資料を整えることの重要性を再認識させられました。

最終日の修了式は、高層ビルの会員制のレストランで行われました。レストランからは広大なクレイトン大学のキャンパスが一望できました。学生は6000人程だそうです。修了式には、今回、ご指導いただいた講師陣の先生をはじめ、大学のプレジデント、学部長、副学部長先生などの大学関係の先生方も参加されました。大学をあげて、われわれを歓迎して下さっていることを強く感じました。しかし、これは、宮本先生がいかに大学に貢献され、大学のスタッフに慕われているかの現れでもあると思います。懇親会で太田先生がご挨拶されたように、研修の成果を今後の診療に生かし、患者貢献することでクレイトン大学の先生方の御厚情に報いたいと思います。

また、懇親会では、おとなりの2人の先生と片言英語でお話しさせていただき楽しい時間を過ごさせていただきました。お二人とも乗っている車が私と同じAudiいうことで意気投合しました。この一連の研修も終わるわけですが寂しさを感じます。長い間、ご一緒させていただいた先生方にも色々と貴重なお話しを頂戴し刺激を受けました。有難うございました。宮本先生から、今後も修了生が交流する機会を作りたい旨のお話をいただきました。ぜひ、また皆で集いさらにステップアップできればと思います。最後に、このような素晴らしい研修の機会を与えていただきました熊谷崇先生、マクガイヤー先生、宮本先生に改めて御礼申し上げます。そして、この研修を支えていただいた多くの方々にも深く感謝申し上げます。

江間歯科医院:江間 誠二

■オマハ研修感想文

5月のヒューストンでの研修に続いての海外研修でした、Localized Ridge Augmentationの話を宮本先生からきき、それにつづいてDr. NortonよりDental Anatomyについて講義をうけました。講義の内容は詳しく神経支配、血管系、骨、筋肉などの顎顔面の構造を教えてくれました、またCTをとりいれての解剖の話だったので内容は実践的なものだった。Dr. Nunn先生による歯周病学の最新の統計学的処理の方法による情報が提供され、歯周病の予後を予測するうえでの正しいデータを残す重要性が認識できた。

Dr. Benn先生の講義では、歯科用CTの被爆量の比較、CTを歯科で運用する際の注意点が示された、Lingual Foraminaが下顎前歯部頤棘付近にあり、ここの動脈を切ると止血が難しくなる、またここの神経を傷つけると感覚障害を起こすことがあるので、患者さんには事前に説明しておくようにとの説明があった。

Cadaverの実習は非常によかったです、実際にインプラントの埋入ができたり、サイナスリフトの経験ができ実際のイメージを持つことができた、 Norton先生の解剖の手際良さで、つぎからつぎに神経をみせていただいた。このような解剖は初めて体験しました。

ライブ・サージェリーは患者をまじかで見ることができ本や、スライドは解らない部分が十分に見学できたので、手術の仕方、道具、材料などを整えて早速行おうと思っています。いつもこのように素晴らしい研修内容を組んでいただいてありがとうございました。日吉歯科のスタッフの皆様方、宮本先生、熊谷崇先生に心から感謝申しあげます。

川原歯科医院:川原 博雄

■PHIJ2010オマハ研修を終えて

今回のオマハ研修では、クレイトン大学の全面協力のもと、解剖講義と実習、CT画像の特徴や読影講義、インプラン埋入の見学と実習を行いました。その中で、なんといっても献体を使ったカダバ実習がとても印象に残っています。CT画像と比較し、血管や神経の走行を確認しながらのサイナスリフトなどのオペ実習やインプラント埋入実習は、日々の診療で最もストレスを感じる治療をとても明確に示唆してくれました。日本にいては不可能な実習でとても貴重な体験となりました。

3月の東京研修よりはじまったPHIJ2010研修も、5月のヒューストンを経て最後のオマハ研修が終了しました。今回の海外研修は、英文要約、グループ課題、インプラント症例など多くの宿題もありましたが、その課題を行うことによりエビデンスに基づいた診療の考え方、実践の仕方を理解できました。この研修を通して「診療の質」ということを今まで以上に考え、「生涯にわたって口腔の健康を守る」という歯科医療の目的を再確認することができました。
最後になりましたが、この研修に携わって私たちをサポートしていただいた全ての方に心より感謝いたします。本当にありがとうございました。

中央歯科クリニック:奥富 史郎

■PHIJ オマハ研修

出発前、帰国したばかりのアメリカ人の患者さんに「今、アメリカはものすごく寒いですよ」と言われ、慌ててユニクロのヒートテックを荷物に入れこみ、途中のミネアポリスは16度とのアナウンスでした。(日本を出る時は31度でした)
オマハのホテル周辺、町並みは一世紀前のものと思われるレンガの建物と道路で観光の馬車がよく似合う情緒豊かで風情のある町で、前回の近代的なヒューストンとは好対照でした。 アメリカの懐の広さを感じます。

クレイトン大学での講義は宿題であったネッターの教科書からのチェックに始まりました。 出発前に原著を手に入れても解剖図を見るのが精いっぱいで、クイズでは苦労しました。 これからは英語力が何よりも必要と痛感しました。
今回の研修では解剖学を学び直すのが目的の一つです。 Dr Norton の講義は長旅後の頭に少々厳しいものでしたが、この様な講義を聴ける幸運などそうあるものではありません。

40年ぶりのcadaver実習では、cadaverにもし温もりがあれば、皮膚の柔らかさ、脂肪組織や筋肉の色、触感は極めてフレッシュ(失礼ないい方かもしれませんが)そのもので、Dr Norton の解剖手技は、まるで今「手術室にいるのでは?」と錯覚するような臨場感あふれるものでした。 私自身、神経の走行などをあいまいに覚えていること、思い違いなど再確認させて頂き、本当によい勉強ができました。

インストラクターの先生にはインプラントの埋入、歯周外科の細かな技法を教えて頂き、自分の考えを広める事ができ、更に手術見学では、患者さんへの配慮、院内準備など、私の臨床での改善点を得ることが出来ました。
宮本先生の周到なご準備のおかげで、インプラント処置に際しての基礎、CT読影から臨床まで丁寧な講義、実習を受けさせて頂き、ヒューストンでの講義をより身近で確実なものとすることができました。

日本では教育課程以外では経験することができないcadaverを前に、尊厳をもって頭を垂れたくなった自分の気持ちを軸に、今後は予防をベースにした無用なことはしない、修飾のない治療を心がけます。
専門的な知識、スキルだけでなく、医療人としての教養、知恵、患者さんのバックグラウンドを拝聴するコミュニケーション力、それらをいかに按配するか「医のアート」が問われる研修でした。 私達は「仁」の心をもって患者さん一人ひとりに向き合い、その人の生活の質の向上を目指す医療を実践していこうと思います。

素晴らしいプロジェクトに参加させて頂き、熊谷先生、宮本貴成先生はじめ、ヒューストン、オマハの関係者の皆様、中山吉成先生、シロナデンタルシステムズ、アストラテックの皆様に感謝申し上げます。
半年にわたりDグループの先生方と楽しく勉強できました縁を、今後とも大切に育てていければと心から思います。

柴田歯科医院:柴田 幹彦

■オマハ研修に参加して
3月の東京研修・ゴールデンウイークのヒューストン研修に続き、9月17日金曜日より、往復の移動を含め、約1週間の米国オマハでの研修に参加してきました。

今回のオマハ研修も、前2回の研修と同様、非常に素晴らしいコースでした。
その中でも特に、Netter’s HEAD AND ANATOMY FOR DENTISTRY の著者でもあるNorton先生より、解剖に関する研修を受けることができたことは、本当に幸運でもあったと思います

今回の研修で改めて実感したことは、解剖を含め、基本をしっかりと把握し理解した上で初めて質の高い臨床が行なうことが可能となるということです。歯周病学教授の宮本先生をはじめ、質の高い臨床・研究・教育を行なっているクレイトン大学の先生方から、さまざまなレクチャーを受けたことは、今後の私の診療の質の向上に役にたつものでありました。

ワールドスタンダードな質の高い診療レベルとはどのようなものであるのか?どのようにして、それを達成していくのか?そして、今後のオーラルフィジシャンとしてどのような診療室づくりをしていくのか?真にヒントに富んだセミナーでした。

熊谷先生・宮本先生・日吉歯科診療所の仲川先生をはじめ、このような機会を与えてくださり、さまざまなサポートをしていただきました皆様方には、感謝の念が絶えません。本当にありがとうございました。

水口歯科医院:水口 裕介

■終わりがスタート PHIJ2010オマハ研修
今回のオマハ研修で、約6ヶ月間・70時間以上に及んだインプラント・歯周病の海外研修が修了しました。
プログラムの内容は、前回のヒューストン研修と同様、日本では実現できないと思われる内容のものが多く、充実した3日間になりました。印象的だったのは、日本では行うこと自体が非常に困難な解剖学実習が、参加者の希望により大幅に延長されたことでした。この事は前回のヒューストン研修と同様、教授陣が受講者の学ぶ意欲を最優先に考えていることの現れであり、そのための献身的な行動には感銘を受けました。しめくくりの修了式にはクレイトン大学教授陣に加えて、学長と歯学部長が参加し修了証を授与されました。それは今回の研修が特別な待遇であることを意味しており参加者一同、身の引き締まる思いで修了証を手にしました。

長い時間をかけてプログラムを準備してくださった講師陣と参加者の熱意により成功を収めた海外研修ですが、この貴重な経験をどのように自分の仕事の中で生かしていこうか? と考えると、期待と共に焦りや悩ましさがミックスしたような、不思議な感覚が湧いてきました。帰国の日、「終わったけど、これからスタートって感じだよね。」と他の参加者から声をかけられた時、私は心から共感し気持ちが引き締まりました。確かに、ここからが始まりだ、と気持ちを新たにした瞬間でした。

さて、私がこの一連の研修の中で得たものは歯科の知識だけではありませんでした。オーラルフィジシャンの先生方と行動を共にする中で垣間見られた、誠実な態度や振る舞い、そして伺ったお話の数々から自分が歯科医として目指す姿や目標を確信し、そしてそれが実現に向けての原動力ともなり、大いに刺激を受けることができました。

この研修のために長い時間と労力を惜しまなかった日吉歯科診療所の熊谷崇先生、勤務医の仲川隆之先生、クレイトン大学の宮本貴成教授、前アメリカ歯周病学会会長のMichael K. McGuire先生はじめ、サポートしてくださった先生、スポンサー企業であるシロナデンタルシステムズ社とアストラテック社の皆様、そしてご親切にしてくださった参加者の先生方にこの場をお借りして、改めて感謝申し上げます。

今後は、皆様に頂いたご恩と励ましを胸に、総合力を備えた世界基準の診療室作りを目標に、勇気を持って歩みを進めます。ありがとうございました。

福田歯科医院:福田 幹久

■PHIJオマハ研修に参加して

今回は、五月のヒューストン研修に続いて、ネブラスカ州オマハにあるクレイトン大学の歯学部にて研修を受けさせていただきました。今回の研修は宮本先生をはじめとするクレイトン大学歯学部の全面的なバックアップのもと行われ、非常に有意義な研修となりました。クレイトン大学は、全米でも屈指の私立歯学部であり、その歴史は1世紀以上にもなります。病院校舎に入ってすぐの廊下には、創立から現代までの全卒業生の写真が飾られクレイトン大学を卒業して歯科医師となることが、以下に誇らしい事であるかを垣間見ることが出来ました。そのような素晴らしい大学で研修を受けれた事を光栄に思います。

研修の内容としましては、インプラント治療に必要な解剖学、CT上の診断に必要な放射線学、CT診断技術、実際カダバーを用いた解剖学実習、アストラテックの協力のもとサイナスリフト及びソケットリフトのハンズオンを行いました。解剖学の講義と実習では解剖学の権威であるノートン教授の指導を受け、自分が学生時代に習得した解剖学の知識が如何に曖昧であったかを痛感し、今後のインプラント等の治療の上で非常に役立つ知識を習得できました。

その解剖学的知識を踏まえた上で、CT上でこれらの組織や解剖学的構造をどのように診断し、治療計画を建てるのかを、ベン教授より教えていただきました。これら一連の講演が終わった後、クレイトン大学の解剖学教室、放射線教室、宮本先生をはじめとする歯周病学ファカルティー、口腔外科ファカルティーの指導のもと、カダバーのハンズオンに臨みました。カダバーの実習では時間も我も忘れ、参加者全員が真剣に取り組み時間を忘れて終了が延長されるほどでした。このような一連の流れで研修が進み、基礎と臨床がリンクした形の素晴らしい研修内容でした。そして最終日には、グループ課題を発表し自分らが日本にいる間に学んだことをリンクさせる形で研修を締めくくりました。

今回の研修は、日本では絶対に出来ない学習体験をさせていただき、基礎と臨床をリンクさせながら知識と技術を向上できるという、ヒューストン研修同様、まさしく夢のような、そして理想的な研修であったと振り返ります。このような素晴らしい研修プログラムを運営して下さった、宮本先生、クレイトン大学の諸先生方、日吉歯科の諸先生方、アストラテック、シロナ、そしてオマハの人々に心より感謝申し上げます。

最後になりましたが、今回の研修でグループ内、グループ間の様々な先生方とも親睦を深めることが出来ました。このご縁を大切に、今後ともご指導ご鞭撻宜しくお願い申し上げます。

麻生歯科医院:麻生 幸男

■Omaha研修 感想

OP海外研修コース初参加であり、かつ2010PHIJの途中参加でしたが、熊谷先生はじめ日吉歯科診療所の先生方、Dグループの先生方の暖かい手解きもあり大変有意義な時間を過ごす事ができました。 意識の高い先生方と密度の濃い時間を共有できることは、とても幸せな体験であります。
このような機会を与えていただき、あらためまして感謝申し上げます。

今回のコースで特に印象が強かったのは、実践を考慮した外科的解剖学実習です。
全米で最も人気の高い解剖学講座の教授からインプラント外科学に不可欠な知識をハンズオンでみっちりレクチャーを受けました。

インプラント診療を日常的に行う臨床家にとって、それは大変エキサイティングで幸せな時間を与えられた気がしました。それも宮本先生の特別な計らいで翌日も実習の機会をいただけた。本当に有難うございます。
解剖学はインプラント外科学の最も根幹をなし、基礎となるものであります。基礎歯科医学過程で学んだ一般的な解剖学とは様相が異なります。

我々は手術に際し必要なsurgical anatomy(外科的解剖学)を学び直す必要があると常々思っていました。手術に際し必要な解剖学とは外科医、補綴医共々、インプラント治療を行う上で必須項目であり上顎洞を含む3次元的骨梁形態、咀嚼筋群の走行、神経走行明視、ブロック麻酔奏功範囲、切歯孔 梨状孔隅角付近、上顎洞前側壁、頬骨下稜付近等、インプラント挿入時のランドマークとなりうる起始点、また下顎の骨採取部位やリスクエリア等、ひとつひとつ確認しながら、再認識させていただいた。この知識こそが外科手術の限界を示しリスクを減じる最良のヘッジとなりうると思われる。

オーラルフィジシャンを目指す歯科医師は、匠的手術手技やprocedureの理解よりも患者さんにとって、よりリスクが低くダメージの少ない臨床的判断のための診断力を養う必要がある。インプラント治療は客観的に多様な状況に則しながらも、標準化されたものであるとの思いがあります。
その点で、PHIJコースはその標準化のベースとなる臨床基準を総合的に勉強させてくれる貴重な機会であると思われます。基準とは当然ながらエビデンスであるのはいうまでもないことでありますが、あたらめて臨床での考え方を享受された思いがしました。是非、機会があれば次回のヒューストンでのMcGuire先生の研修を受講したいと思っておる次第であります。
今後も勉強させてください。

大月歯科医院:大月 晃

■PHIJオマハ研修に参加して

半年にわたる研修も終わってしまいました。海外研修に参加させて頂くのは今回が初めてのことでしたが、これほど素晴らしく、自分の中の何かを変革してくれるものは今までに無かったと思います。このような機会を与えてくれた熊谷先生には本当に感謝するばかりです。

実は今回は自院の拡大後、経営的にも心理的にも随分と苦しいことになり、そのことに悩みながらの出発になりました。悶々とする行きの飛行機の中で川原先生や柴田先生などがご自分の体験談を話してくださりとても為になり、嬉しかったです。その他にも多くの先生がご助言をくださりためになりました。このような旅は、単に勉強をするだけではなく、定期管理型の医院を作り地域を変えようと考えながら頑張っている先生同士の、大切な絆を作っているのだと思いました。

話はかわりまして,オマハ研修は、なんと言ってもカダバー実習が本当に為になりました。Norton先生のプロフェッショナルな解剖には感動し、みなが食い付いて質問を沢山していました。また先生のそれに真摯に応える姿は、それは素晴らしいものでした。

最終日のパーティーは目の前に総長、学部長、ノートン先生がいらっしゃり、私たちは大変緊張しましたが、宗教者らしい真摯な態度でお話をしてくださり、なかなか体験できない、大変光栄なことであったと思います。こちらの方とお話をして感じることは、自分も他人も、とてもリスペクトしているとうことです。このことは熊谷先生もよく仰ることであり、どんな時も忘れてはいけないことだと思います。これは感動的で美しいことです。

最後に、不肖、グループリーダーを務めさせて頂きましたが、十分に皆をまとめて最大のパフォーマンスを発揮してもらうことは私の力量ではできなかったことをお詫びしたく思います。

また、同じような機会がありましたら、借金をしてでも参ります。その時はまたみなさまよろしく御願い致します。

ほたるだ歯科医院:山下 伸司

■Oral Physician Advanced Periodontics Course 2010 in Omaha

Omaha Creighton University、緊張した、解剖学のクイズから始まり、とてもわかりやすい Dr. NortonのApplication of Dental Anatomy for Dental Implants and Bone Graftingの講義、Dr. Nunnの統計学「Prognosis vs. Actual Outcome」は、少々難しかった。Dr. Miyamotoの審美性を考えたLocalized Ridge Augmentationの講義は、今後の私の臨床における新たなステージの指標を教えていただきました。Dr. GernerのTemporary Restoration for Dental Implantは、日頃の臨床の悩みを解決していただきました。放射線科Dr.BennのClinical Application of CTの講演では、CTレントゲン、デンタルレントゲン、パノラマレントゲンの棲み分けを教えていただき、最先端のCTを使った読影の講義は、コツをつかむことができとても貴重な講義でした。また下顎前歯部のインプラント埋入の注意点は参考になりました。

Dr. Norton、Dr.Bennの講義を踏まえた、Implant Cadaver Lab Courseは、見たい所のポイントをきめての実習が行え、貴重で有意義な時間を過ごすことができました。

Live Surgeriesでは、Dr. Miyamotoの「Regenerative Surgery」を見学させていただきましたが、事前の解説、オペ見学、事後の解説と、すぐに明日の臨床に役立つものでした。
これらの講義、実習は、今後、いただいた資料などから、噛み砕き、より理解を深めていきたいと思っております。

最後のグループディスカッション(課題と症例発表)、われわれのgroup5の課題は「Management of Peri-implantitis、 why、 when and how?」という、大変ボリュームのあるテーマをいただきました。8月初旬からちらほら「group5でメール交換があり、8月末頃の大月先生の「グループ課題についてそろそろやばいかと。」のメールぐらいから火がついて、それ以降、ほとんど毎日グループの誰かのメールが行き来し、当日の発表に間に合いました。また、私自身、症例発表させていただきましたことは、思い出に残るものです。

今回の3月から9月の6ヶ月にわたる「Oral Physician Advanced Periodontics Course 2010 in Tokyo & Houston & Omaha」ではグループでの課題の解決を通して、またそれを核として、オーラルフィジシャンのトップランナー、予防歯科のトップランナーの先生方と、より深くふれあうことができたと思います。それが講義、実習はもちろんですが、私にはとても貴重な収穫でした。

お肉のおいしいOmahaでの研修、講義、実習、グループ発表、症例発表、食事、一分一秒、どれをとっても貴重な体験をさせていただきました。

今回のAdvanced Periodontics Course 2010 in Tokyo & Houston & Omahaでの貴重な体験を、患者様はもちろん、スタッフ、家族、小田原市民の皆様、ひいては、神奈川県民、夢はでっかく日本国民の皆様に社会貢献させてただき、歯科医療を通して、日本の国を明るく楽しくしていけたらと思っております。

仲川 隆之先生、色々な面でお世話になりありがとうございました。
Dr. Norton、Dr.Nunn、Dr.Gerner、Dr.Benn、Dr.Lang、そしてDr. Miyamoto、ありがとうございました。
そして、この機会を与えて下さいました、熊谷崇先生に心から感謝申し上げます。

PS
Dr. Norton、「Netter’s Head and Neck Anatomy for Dentistry」
来年出版予定の、日本語版楽しみです。

医療法人社団レミントン歯科:高橋 周一

■PHIJ Omaha 研修を終えて

今年の春から始まったPHJの研修が今回のOmahaにおけるクレイトン大学での研修で一段落を終えました。
今回は出発時におけるトラブルは何もなく順調なスタートとなりました。
何よりわがEグループのリーダーは1週間も前から日常生活をアメリカ時間に合わせていったという非常に強い意志を見せてくれました。前回のヒューストン研修での反省を元にその意気込みは目を見張るものがあり、私も負けじとアメリカ時間に合わせて睡眠時間を調整するという試みを図りましたが、結局のところ本当に調整できたのは帰国前日の夜だけでありました。(とほほ・・)

今回はオマハへの直行便はなく、行きも帰りも乗り継ぎでの研修となりました。飛行機での睡眠も上手く取れず時差ぼけに浸りながらの時間を過ごしましたが、不思議と辛くはありませんでした。頭の中にやるべきことのイメージができていたのでブレインコントロールが上手くいったのだと思います。

初日に到着したのはすでに夕方でしたが宿泊するホテル(Embassy Suites Omaha)の部屋のなんと広いこと、東京の我が家より余裕の作りでうらやましい限りでした。日本でのセミナー時に利用するビジネスホテルの余りに合理的な狭さと比較し、ここでもアメリカの広大さに圧倒されてしまいました。

初日は宮本先生お勧めのオマハ牛ステーキを食べに行く事になり、どちらかというとお肉に身体がついていけない私は若干の抵抗を感じつつ、こうなったら堪能するしかないと自分にモチベーションをかけオマハで一番といわれているお店に出かけました。
でかい!とにかくでかい!でもさすがに肉の味は納得の物でした。アメリカの人々ってこういうのをペロッと食べてしまうんですね。玄米菜食が中心の私はここでは生きていけない気がしました(しかしこのときはまだ序の口であった)。

翌日は朝の5時に起床です。早く眠りにつこうとベッドに入るものの広い部屋に一人の寂しさと、ややテンションが上がっているため意識はランランです。「こうなったら明日の朝の解剖のテストのためにアメリカで初の徹夜勉強でもするか」と思ったりもしながら「いかん、いかん今回の研修は講義中の睡眠はご法度だから少しでも睡眠をとろう」という思いが交叉し、結局ベッドの中で悶々としながら5時を迎えたのでした。睡眠薬を持参した先生もいましたが、睡眠薬に頼ったことがない私はもしも薬の効きがよすぎて朝起きれなくなる恐怖のほうが強かったのです。

起床後に気持ちを奮い起こし解剖の本を広げてテストに備えます。
しかし見れば見るほどに訳がわかりません、抜群の睡眠効果を引き起こし頭が混乱してきました。結局何を理解したのかが理解できぬままクレイトン大学に向かうこととなりました。

アメリカでも最も由緒ある伝統校であるクレイトン大学を訪れることが出来るとは、なんて素晴らしいことでしょう。「きっとこの機会がなければ一生訪れることはなかったなぁ」と感慨にふけってしまいました。歯学部の廊下には設立当時からの卒業生の写真が年毎に飾られています。セピア色の写真から長い歴史を感じました。学生数の少ない年は戦時中だったとのことでした(戦争のない環境につくづく感謝です)。
講義室にはお決まりのドリンクと軽いスナックのサービスがあります。コーヒーをいただきながらスナックの方を見るとアメリカらしい甘そうなプリンがあります。ちょっと食欲をそそられたその時に、マーサ・ナン先生がプリンをお二つお取りになり、おいしそうにいただき始めました。
その光景をほほえましく眺めながら糖尿病の気がある私はぐっとこらえたのでした。

宮本先生からのこれからの講義の案内がされた後、いよいよ解剖のテストです。ペーパーに目を落とすといきなりめまいが襲ってきました。「これはただ事ではない…」
解剖の本のおぼろげな記憶を呼び戻そうにも、欠落した記憶は戻ってくるどころか、問題の意味を理解するのに時間をとられてしまう現実に呆然としてしまいました。何とか回答をし終えたものの、我が身の非力さにうちひしがれたスタートでありました。
続いて進行していくノートン先生の解剖、宮本先生のインプラント、Gerner先生のインプラント補綴の講義はとても洗練されていて興味深いものばかりでした。講師の先生方の思いが淡々と伝わってきて充実した時間を過ごしました。

全体を通して、今回はインプラントに関わる解剖、捕綴、統計、CT放射線の講義が中心でしたが、マーサ先生の統計に関わる部分はやはり難しく、まぶたの重みに耐えるべく隣の先生とつつきあいながら意識を失わないようにしたものです。
また歯学部の病院を一通り見学させていただき伝統ある教育の現場を感慨深く見て回りました。

2日目の晩はグループでのプレゼンテーションの打ち合わせをするべく5人で夕食をすることになり、結局たどり着いたのが別のステーキのお店です。「オマハはステーキだ!お店ごとの違う味わいを堪能しなくてはならないんだ!」と自分をマインドコントロールしてトライしましたが3分の2のとところでギブアップ、食べ盛りの大月先生にプレゼントできて良かったです。生ビールの泡が殆どないのはなぜ? その代わりグラスにオレンジをつけて出してくれた瓶のローカルビールは美味しくて救われました。

3日目は今回の研修の大きなポイントであるカダバーの実習です。それまでのそれぞれの講義がこの解剖の実習でどれだけ実のあるものになったかは参加された全ての先生方が実感したことと思います。献体していただいた方々に深く感謝しつつ実習をしていきました。
学生の頃とは比較にならない熱のこもった実習に時間を忘れて取り組んでいました。特にノートン先生の見事なメスの使い方には驚き感嘆しました。本当に実のある実習を組んでいただきありがたい限りです。
その晩はホテルの近場のスパゲッティのお店へ、可もなく不可もなくでしたがウェイトレスのお姉さんが早口でまくし立てる英語に改めてヒヤリング能力のなさを痛感…
夜はグループ発表の最後の打ち合わせのため私の部屋に集まり調整をしました。
途中意識を失うメンバーの写真撮影をしつつまとめを終えたのが12時を回っていました。

最後の日程はペリオ、インプラントの手術の見学です。数名の先生方のオペを身近に見ることができとても勉強になりました。すでに自分の医院での診療を引退してもなおボランティアで学生にオペを教えている先生の姿に感動してしまいました。日本の歯学教育との根本的な違いの一端をみてとることができました。
今回の研修での最後のスケジュールが各グループごとに与えられた課題発表です。
各グループとも十分に検討され、更に代表的なインプラントの症例発表とともに、出席された各講師の先生方からのコメントやアドバイスをしていただき、最後にふさわしい内容のものでした。

全てのスケジュールを終えた後のサティフィケイト・セレモニー はクレイトン大学の広大な敷地が見渡せる素敵なメンバー制のクラブレストランにて、大学の総長を初め歯学部長や副学長、各講師の先生方とご一緒させていただき感慨深く時間を過ごさせていただきました。我々のために数々の協力をしていただいた講師やスタッフの皆さん、シロナ、アストラの皆様そして今回もとても貴重な通訳とご指導をいただいた中山先生に本当に感謝いたします。ありがとうございました。
(最後のメインはもちろんオマハステーキだ!4回の夕食中3回のビッグステーキ、ステーキ率75%、余りのステキさにビックリ!)

今まで数々のセミナーに出席してきましたが、オーラルフィジシャンの海外研修にはその根底にしっかりとした哲学があるのが他のセミナーとの決定的な違いだと思います。
今、そしてこれから何をなすべきか、自分の尻を叩いて前に進む力をいつも与えてくれる素晴らしい仲間とともに、今回も参加できたことを本当に幸せに思っています。

ボストンから始まり、マルメ大学研修でヒルトンに泊まり、ドイツではトンでもない飛行機のトラブルに合いながらも、ヒューストン、クレイトンとレミントン歯科のトントン拍子の研修も来年は一休みです。来年のマルメ大学研修はまだ経験していない先生方に、ぜひ満喫してきていただきたいと思います。根底に流れ続ける哲学を深く堪能してきて下さい。 感想文を楽しみに待っていますね。

それでは皆さん、またの再会を楽しみに頑張りましょう! お元気で!

きたしろ歯科診療所:金谷 史夫

■オマハ・クレイトン大学での研修を終えて

今年の3月から足掛け7ヶ月のPHIJのコースの最終回がアメリカ合衆国、ネブラスカ州、オマハにあるクレイトン大学で3日間の予定で行われました。コースの最終回ということですが、歯科治療においての一番の基本であり、私たちが忘れてしまっている頭頸部解剖の知識の整理と解剖実習、そしてその知識を生かした上での実際の歯科臨床現場の状況、そして予後に対する評価の研究の現状など、非常に盛りだくさんのスケジュールで行われました。今回のコースを通して、一番印象に残っていることは、やはり解剖実習でした。今まで、あまり好きではなかった解剖という分野ですが、ノートン先生の教え方が、講義、実習ともに非常にすばらしく、今までは霧かかっていた口腔内の解剖という分野を一気に晴天にしてくれたという感じがし、非常に好きになりました。

また今回のコースでは、教科書での整理、レントゲンでの見方の整理、解剖実習ということが一度に行われましたので、頭頸部の全ての情報が頭にきちんと整理されました。僕たちが患者さんを治療する際に、診査として撮影していくレントゲンやCT画像というものを、もう少し有効に利用して、患者さんの頭頸部全体を的確に診断できるような力量をつけていくことが歯科医師としての義務でもあり、そのために日々努力を行う必要があると思いました。

今回でコースは終了とのことですが、ここで学んだことを最大限患者さんにフィードバックして、より安心で安全で、予知性の高い治療を行っていけるように精進を続けていきたいと思っています。そしてこれが終わりではなく、これが始まりだという意識を常に持ち、常にどん欲に新しい知識を吸収していくことが出ればと思っております。

最後になりましたが、このコースを通して色々と準備をしていただいた、宮本先生、マグガイヤー先生、シェイヤー先生、日吉歯科の仲川先生、加藤先生兄弟をはじめとする日吉歯科のスタッフの方々、クレイトン大学の先生方には感謝してもしきれないくらいです。またこの会を企画していただいた熊谷先生、本当にありがとうございました。

新堂歯科診療所:佐々木 英富

■オマハ研修感想

私たち臨床家は日々患者と向き合っていかなくてはなりません。予防を通じて子供から高齢者まで、多くの人々の健康な口腔を守り育てれば育てるほど、治療と予防の両輪がハイレベルに調和され維持されることが必要になります。時には高度な治療が必要なケースにも遭遇することがあります。特に適切にインプラント治療を行なうには最先端の情報知識の集積や技術の習得が欠かせません。

今回はこの日のために実際の歯科学生でも体験することが難しい新鮮な無歯顎の献体を全米から集めていただきました。著名な解剖学者であるDr.ノートンから講義だけでなく献体実習を通じてもう一度解剖学を深いところから確認できたことは歯科医師人生におきて本当に大きな収穫です。常に基本に忠実であることは自覚していますが日本の歯科大学を卒業して一度臨床の場に出てしまうとなかなかこのような機会には巡り会えないかな、今回もまたこうして参加し学ぶことができたことをうれしく思います。

今回のプログラムを半年かけて企画、準備されたDr.miyamotoを始めクレイトン大学の講師陣に深くお礼を申し上げたいと思います。素晴らしい教育プログラムをありがとうございました。素晴らし講師陣です。またいつの日かお目にかかれることを楽しみにしています。また絶え間なく学び続けることの重要性を再確認しました。

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